生活にふれる
古くから鎌倉は、相模湾に面した良好な漁場として漁業が栄えており、特に現在、広く人々に知られるまでになった「しらす(料理)」が有名です。
また禅宗の影響を大きく受け、仏教に基づく菜食主義の料理として現在に受け継がれている精進料理。近年はブランドとして認知されている鎌倉やさいなど個性的な食材や料理があります。
「最近テレビや雑誌などでも紹介され注目を浴びている食材を買いたい」という方のために、鎌倉の農産物・
海産物が買える直売所や朝市情報もご紹介します!
鎌倉の漁業と農業
海産物

鎌倉では古くから漁業が盛んで、現在も小型定置網や刺網、しらす船曳網、わかめ養殖などを中心とした沿岸漁業が行われています。
市内では主に鎌倉地区と腰越地区で漁業が営まれており、水揚げされた魚は市場をはじめ、さまざまな場所へ出荷されています。鎌倉地区では早朝から浜売りが行われるほか、漁業者が運営する直売所では、しらすやアカモク、わかめといった加工品も販売されています。
また、定期的に開催される朝市には、多くの市民が新鮮な魚や加工品を求めて訪れ、賑わいを見せています。
しらす
.JPG.jpg)
相模湾で春から秋にかけて腰越や坂ノ下で水揚げされる鎌倉のしらすは、「湘南しらす」として知られ、かながわ名産100選にも選ばれた鎌倉の特産品のひとつです。
生のまま楽しむほか、大きな釜で茹でて「釜揚げしらす」にしたり、薄く広げて日干しに加工した「たたみいわし」としても親しまれています。
特に生しらすは鮮度が命で、水揚げ地ならではの味わいを楽しむことができます。
鎌倉には、釜揚げしらすや生しらすを使った「しらす丼」や、しらすを取り入れた創作料理を提供するレストランが数多くあり、新鮮なしらすを堪能できるスポットが充実しています。
なお、1月から3月上旬はしらすの禁漁期間となっていますのでご注意ください。
鎌倉海老
鎌倉沖でとれる海老を「鎌倉海老」と呼び(伊勢沖でとれる海老は「伊勢海老」と呼ばれるように)、かつては鎌倉の名産として、鎌倉海老をてんぷらやフライにしたものを卵でとじた「鎌倉丼」が名物でした。近年では漁獲量が減り、店頭に並ぶこともほとんどなくなっています。
鎌倉の海産物が買える直売情報はこちらから
農産物:鎌倉野菜

鎌倉の農業は、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれ、年間を通じてさまざまな野菜が栽培されています。多くの農家が少量多品目の生産に取り組んでおり、畑が色とりどりの野菜で彩られることから、「七色畑」と呼ばれる独自の作付方法が実践されています。
こうして育てられた野菜は「鎌倉やさい」としてブランド化され、鎌倉市農協連即売所や農家直営の販売所、市内のスーパーなど、さまざまな場所で購入可能です。「鎌倉やさい」は新鮮さや安全性、安心感が評価されており、家庭の食卓はもちろん、多くのレストランでも重宝されています。
レンバイ(鎌倉市農協連即売所)
レンバイの名で親しまれる鎌倉市農協連即売所。周辺の農家によって生産された四季の新鮮な鎌倉野菜などを販売する農作物直売所です。1928(昭和3)年に創設。地元だけでなく横浜や都内からも料理人が足繫く通うともいわれています。

-2.jpg)
鎌倉の農産物が買える直売情報はこちらから
食品

鎌倉の特色を表す食品として、歴史ある精進料理やけんちん汁、また近代になってからブランドとなっているハム、そして現在では地ビールの生産も行われており鎌倉の食のブランドが多くの人々に浸透しています。
精進料理
鎌倉の精進料理は、仏教に基づく菜食主義の料理であり、禅宗の影響を大きく受けています。精進料理は、動物性の食材を使用せず、季節の野菜や穀物、豆類、海藻などを主材料として作られ、食事を通じて心身を清め、感謝し、仏教の教えを実践することにあります。現在でもその伝統が受け継がれています。
けんちん汁
けんちん汁は、精進料理に由来しています。禅宗の僧侶たちは、肉や魚を食べることを避け、植物性の食材で調理された料理を食べることが求められました。野菜や豆腐を入れて煮こむシンプルな汁は、建長寺で作られていたことからけんちょう汁と呼ばれ、「けんちん汁」となったという説があります。
鎌倉ハム
明治時代初頭に、日本に来た英国人により、鎌倉でハムやベーコン、牛乳、バターの製造が始まったといわれています。その技術と製法が後の鎌倉に根付き、次第に地元の製造者や技術者が育成されていきました。
鎌倉で作られたハムは、鎌倉、箱根、横浜の一流ホテルに供給され、宿泊客の間で評判となり、その発祥地名にちなんで「鎌倉ハム」として広まったとされています。
鎌倉ビール

鎌倉ビールは、その独自の製法とこだわりの原料を活かした地ビールとして、近年多くのファンを魅了しています。手作りに近い製法で作られており、品質の高さと味わい深さが特徴です。レストランやカフェでも楽しむことができ、食事と一緒に楽しめる点も魅力です。地元に根ざした鎌倉らしい地ビールは、市民はもちろん観光客にも愛される逸品です。